城と桜の写真集
鮮やかな桜が咲き誇る城
一瞬の輝きとはかなさを秘めている桜。その姿は、かつて栄華を誇った城や武士と重なります。
日本には幕末には200近い城がありましたが、当時、城には桜がほとんど植えられていませんでした。明治時代に廃城令が発布されると、多くの城が陸軍用地や公園に姿を変え、建物が解体されました。跡地は公園として整備され、古くから親しまれてきた桜が植えられ、「城と桜」の組み合わせが定着していきます。特に、明治中期に全国へ広まったソメイヨシノは、多くの城に植えられました。
また、弘前城(青森県)や高遠城(長野県)では、旧藩士たちが桜を植え、城を守ろうとした例もあります。戦後、城跡が市民に開放されると、桜の植樹はさらに進みました。
淡い桜色に包まれる城の風景は、どこから眺めても美しいものです。今もなお、春が訪れるたび、満開の桜が城跡を彩り、私たちを魅了します。その景色は、かつての歴史を静かに語りながら、新たな季節の訪れを優しく告げているのです。
(城郭カメラマン:岡 泰行(プロフィール))
※城の写真素材・ストックフォトとしてレンタルも賜ります。